お蕎麦は、最もシンプルに成立する食材のひとつです。
なんといっても、スーパーで販売されているような身近なものでも、食品添加物ゼロというのはうれしいですよね。
・そば粉+小麦粉
・そば粉+小麦粉+塩
この3種類のどれかが、市販のそば(乾麺)です。
シンプルすぎるぶん、生産地(生産国)が気になるところ。
それでは、山本食品「信州の二八そば」を読んでいきましょう。
「信州の二八そば」の表示
【名称】
干しそば
【原材料名】
そば粉(国内製造)、小麦粉
【その他の記載】
そば粉80%
食塩無添加:食塩を使わず造り上げたそば湯のとれる本格派
【製造】
山本食品株式会社(長野県)
小麦粉2:そば粉8という二八そばです。
そば粉の比率が高いですが、パサパサもそもそせず、食べやすい歯ごたえのお蕎麦です。
食品添加物ゼロ。気になるのは生産国
たった2つの食材。読んでみましょう。
【そば粉(国内製造)】
外国産のそば粉を輸入して日本国内で加工したものという意味です。
国産のそば粉を使用していたら「そば粉(国産)」という表示になります。
【小麦粉】
「国産」「国内製造」どちらの表示もありません。
つまり、外国産です。
外国産といわれても、いったいどこの国?
調べてみました。
そばの3大(2大?)輸入国
農林水産省のページへ行くと、参考資料として財務省の「貿易統計」が掲載されていました。上記のグラフです。
以下が詳細ページ。
最新の令和4年(2022年)のデータには、輸入国のグラフが見当たらなかったので、令和3年(2021年)からそば輸入3ヵ国を見つけました。
私たちが日本で食べている外国産のそばは、中国、アメリカ、ロシアからの輸入がほとんどということがわかります。
ただ、ロシアのウクライナ侵攻が始まったのが2022年2月24日。貿易はガラリと変わりました。日本のそばの輸入は、もともと中国とアメリカからが多かったこともあり、ロシア産は相当減ったのでは?来年の統計に出てきそうですね。
8年ほど前の資料では、農林水産省は以下のように書いています。
我が国のそばの輸入量は、中国及びアメリカで98%を占める。
参考:そば及びなたねをめぐる状況について(PDF)
平成27年(2015年)1月
となると、ロシア産のそばはいまやほぼゼロかも。
山本食品のそば粉は国産と中国産
「信州の二八そば」を作る山本食品さんは、公式サイトに以下のように明記しています。
山本食品は、原料は直接生産地を視察して仕入れております。国産品ですと、信州・飯綱町や北海道に出向き、生産者と顔を合わせ、畑の土に触れさせて頂き信頼関係を築いた上で、そば粉を仕入れております。一部の商品は外国産(中国)のそば粉を使用しておりますが、しっかりと現地へ視察し、生産者の顔と畑を確認しております。 参考:原材料へのこだわり
2013年に中国赤峰市へそば栽培の視察へ行った様子が書かれています。
赤峰市のそば栽培は、もともとはアメリカが持ち込んだ20トンの玄そばから始まったそう。中国産ながら、種子はアメリカ産。これは、日本でもよくあることです‥‥。
種子については、種子法や種苗法など、また別の問題がたくさんあります。気力があれば、いつか記事にします!
【まとめ】国産のそばは貴重
そばは、食品添加物は無添加で、原材料がシンプルな点は本当にすばらしい食べ物です。
欲をいえば、【原材料名】そば粉(国産)、小麦粉(国産)というのが理想の表示。
さらに欲をいえば、【原材料名】有機そば粉(国産)、有機小麦粉(国産)
こんなそばをもし見つけたら、買いですよー!