ウフフドーナチュ
なんて印象に残る名前!
そして、かわいいロゴ。
見るからに手づくり感あふれ、からだに良さそうなイメージですね。
「金沢の手作りドーナツ ウフフドーナチュ」は、スーパーの期間限定コーナーや駅構内のキオスクでも見かけることがあり、気になっていたドーナツです。
・保存料無添加
・ママが子どもたちのことを考えてひとつひとつ愛情こめて手づくり
という言葉に、やっぱり良質っぽそうだなぁという先入観でパッケージ裏に目を落とすと、
ん?
えぇっ?
‥‥というわけで、ウフフドーナチュ オールドファッション シナモンシュガーを読んでみます。
「ウフフドーナチュ オールドファッション シナモンシュガー」の表示
【名称】
ドーナツ
【原材料名】
ミックス粉(小麦粉、砂糖、植物性たん白、その他)(国内製造)、揚げ油(植物油脂、加工油脂)、シナモンシュガー(ぶどう糖、植物油脂、シナモン、その他)、卵
【食品添加物】
膨張剤、乳化剤、着色料(アナトー色素、ビタミンB2)、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆を含む)
【公式】
ウフフドーナチュ
イメージとのギャップに、ショックを受けます、よね。
イメージはハナマルなのに
公式サイトを訪れると、子どもやママさんたちの写真、かわいらしいドーナツの写真などなど、温かみがあってほんわかしていて、安心感があります。ハナマル感あふれてます。
並ぶ言葉を見ても、
・野菜やフルーツは地元のものを中心とした国産のものを使用
・食べる餌や水からこだわって農家さんに大切に育てられた鶏のたまごを使用
・日本三名山にも数えられる霊峰白山などのきれいな伏流水をドーナチュの仕込み水に使用
と、こだわりを持って食べ物づくりに取り組んでいる様子。
子どもにこそ、良質・上質・安全・安心な食べ物を食べさせないと!これはわたしも強く共感。
だからこそ、拍手を送りたいのに‥
なのに‥
安心安全はどこ?外国産小麦粉・植物油脂・加工油脂
ドーナツは揚げパンですから、小麦粉と油は必須です。
ただ、この2つを使って「子どもに安心安全」とうたうのはなかなか難しいはず。
いったいどんなこだわりチョイスを見せてくれるのかな?とワクワクしたのですが、
揚げ油:植物油脂、加工油脂
‥‥と、期待を裏切られました。泣
「ミックス粉」からスタートした時点で、後ろに続く原材料名はなんとなく想像できたりします。だってそれって、混ぜ物の粉という意味ですもの。ミックス粉という名の食べ物はありません。
「小麦粉(北海道産)」なんてスタートでしたら、その後ろに続く面々も期待できるのですが。
油の種類もよろしくありません。
トランス脂肪酸です。
▼植物油脂についてはこちらを参考にどうぞ。
ときどき混合している人がいるのですが、
植物油脂 ≠(ノットイコール)植物油
です。
そしてもう一種類表示のあるのが加工油脂。
加工油脂はREAD FOOD初登場です。
・植物油(大豆油、菜種油など)と動物油脂(豚脂、牛脂)を加工した油脂
・マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドなどと親せき関係にある(油脂、水分の割り合いが違う)
日本農林規格のデータに、以下の定義を見つけました。
動物油脂(水産動物油を含む。以下同じ。)、植物油脂又はこれらの混合油脂(以下「原料油脂」という。)に水素添加、分別又はエステル交換を行って、融点を調整し、又は酸化安定性を付与したものであって、かつ、食用に適するように精製(脱酸、脱色、脱臭等をいう。)をしたものをいう。
参考:日本農林規格 食用精製加工油脂(PDF)
いろいろ混ぜて、いろいろ手を加えた油。
ここまでくると、本来なんだったっけ?とワケがわからなくなりそうです。もはや、食べ物というより工業製品?
シナモンと砂糖で良いのでは?
もうひとつ、残念ポイントがあります。
とありますね。なぜ単品のシナモン、単品の砂糖にしなかったのかな?
「シナモン、砂糖」で十分成り立つのに。最初からブレンドされたものを選んでしまったんですねー。
だから、植物油脂と「その他」という不安要素が混ざり込んでしまいました。
いったいぜんたい、その他って何?
食品添加物3種(膨張剤・乳化剤・着色料)
ドーナツに欠かせない膨張剤と乳化剤
食品添加物は3種類使われています。
膨張剤、乳化剤、着色料(アナトー色素、ビタミンB2)
まずは、一般的なドーナツやケーキ系などのふんわり系スイーツに欠かせない、膨張剤と乳化剤。
これらは以下を参考にどうぞ。
▼膨張剤について
▼乳化剤について
できるだけ避けたい2大食品添加物です。
アナトー色素は天然植物が原料だけど
アナトー色素は、天然植物が原料で、一見ワルそうに感じません。
・中南米が原産のベニノキの種子を覆う部分から抽出される色素
・黄色~オレンジ色
・抽出方法:油脂か有機溶媒で抽出、加水分解
・カロチノイド色素、カロテノイドと表示されることもある
これら以外に、調べてみてちょっと気になったのが水銀問題です。
アナトー色素と水銀の関係については、一次情報に近いものになかなか出会えなくて。以下は古い記事ですが、参考にどうぞ。
J-STAGE 日本食品化学学会誌 1998年5巻2号
上記「抄録」の記載を要約すると、次のようになります。
日本で、ベニノキの種子から得られる着色料は次の3品目。
・合成添加物の水溶性アナトー
・天然添加物のアナトー色素
・ベニノキ末色素
これら3品目の水銀とカドミウムの検査をしたところ、カドミウムはほぼ問題がなかった。
だけど、水銀はEUの規格値を越えていたから、規格を設定したほうがいいよ!
・・・以上・・・
ただ、上記の発表から25年も経過してますからねー、今はもっと良い状況になっているかな?最新情報がわかりましたら、ここに書き足しますね!
それにしても、焼き菓子や揚げものスイーツの成分表示を見ていつもため息が出るのですが、着色料って必要ですか?
自然な色、
天然の色こそ、
おいしさの証です。
タコさんウインナーやクリームソーダに乗ってるサクランボだって、いまどき真っ赤なの、親なら避けますよね。(避けると言って‥!)
【まとめ】子どものからだ、本気で考えてください
ウフフドーナチュさんのコンセプトが本物であるならば、
・食品添加物について
・食材のルーツについて
・油脂について
ぜひ勉強して、ドーナツづくりに生かしてくれたらうれしいです。
せっかく子どもへの愛を感じさせてくれるステキなブランドなので、もったいない!