日本で「〇〇養蜂場」と言ったら、真っ先に思いつく養蜂場のひとつが、山田養蜂場だと思います。
山田養蜂場さんは、ハチミツはもちろんのこと、ハチミツやローヤルゼリー配合のサプリメントや化粧品も販売。
今回は、スイーツ部門からこちらの「はちみつバウム(プレーン)」を読んでいきましょう。
パッケージの裏面を見たら、ぜったい買わなかった一品です。
ちなみに、今回は「こんな材料使うなんて残念‥‥」という内容がほとんどになりそうですが、山田養蜂場さんに一切うらみはありませんので!ただただ、商品の中みを読んでいるだけです。
「はちみつバウム(プレーン)」の表示
【名称】
バウムクーヘン
【原材料名】
卵(国産)、砂糖、ショートニング、小麦粉、コーンスターチ、クリーム、はちみつ、水あめ、植物油脂、食塩/乳化剤、膨張剤、ソルビトール、グリセリン、カロテン色素、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆を含む)
どひゃーですね。
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味は、原材料を見てもわかるように、はちみつの配合率がそれほど高くないこともあり、口に入れたとたんハニー!といったことはありませんでした。ほんのりはちみつテイスト。
国内生産は卵オンリー
「はちみつバウム(プレーン)」でただひとつ良い点は、「卵(国産)」です。
その後に続く「砂糖」以下は、カッコ書きによる「国産」も「国内製造」も表示がないので、外国産と読むことができます。
「卵(国産)」について、より深読みしてみますね。
国内産の卵というのはgoodポイントです。
ですが、こちらは「平飼い卵(=ケージフリーの卵)」ではなく「バタリーケージの卵」でしょう。平飼いの卵なら、目立つようにそれを表示するはず。
バタリーケージの卵って何?という人は、以下の記事を参考にどうぞ。
山田養蜂場は、「良質でアニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮している商品づくりをしていそう」なイメージがあります。あくまで勝手なイメージですが。
だからこそ、早々に「平飼い卵(=ケージフリーの卵)」に切り替えるといいなぁ。
ただ、そんな想いには暗雲が立ち込めます。なぜって、それ以外にも問題のある原材料をたくさん使っているから。
【残念その1】ショートニングと植物油脂
食品添加物がいろいろ入っていますが、その前にまず残念なのは、ショートニングと植物油脂が名を連ねている点です。
・油の一種
・トランス脂肪酸‥‥不飽和脂肪酸の一種・摂りすぎると心筋梗塞、肥満、アレルギー性疾患などを招く可能性あり
・人工的に植物油を水素添加し→固形にするときに→トランス脂肪酸が発生する
植物から採取した油(植物油)+水素=トランス脂肪酸
※植物油と植物油脂は別モノです
ショートニングと植物油脂は、市販のクッキー、ドーナツ、ふわっとした食感のお菓子、パンなどなど、かなり市場を牛耳っています。
日本では当たり前のように目にします。だけど、
ショートニング
植物油脂
マーガリン
この3つは、使用が禁止されている国や州もあるほど。
すでに赤信号が点滅しています。
日本人はこれらをごくわずかしか摂取しないので、健康への被害はないに等しいと、日本の国は言っています。
でも、本当にそう?
少量でも日常的に摂取していたら?
たとえば心筋梗塞になったとき、その原因が100%ショートニングと言い切ることはできません。年齢・食生活・運動・ストレスなど、あまりに多くの要素が複合的に一人の人間にある中で、断定することなんて無理ですよね。
だからこそ、健康に害はないという主張は、ウソともホントとも言い切ることは難しい。
ショートニングや植物油脂を摂取するかどうかは、結局は、個人の判断にゆだねられることになります。
皆さんは、どんな選択をしますか?
わたしは極力避けます。
今回の「はちみつバウム(プレーン)」は、イベントで購入しました。冒頭に書きましたが、購入前にパッケージをひっくり返していたら、この記事は誕生しませんでした。
【残念その2】コーンスターチ
「コーンスターチ」も残念です。
そもそも、そんな名前の食べ物はありません。「コーン」と付くからトウモロコシを加工した何かかな?と想像はできますが。
コーンスターチの原料はアメリカ産のトウモロコシが圧倒的に多く、以下のように加工された食べ物です。
工業的に大規模なコーンスターチの製造方法として、1875年に米国で開発された亜硫酸水による浸漬法が採用されている。
【参考】独立行政法人 農畜産業振興機構:コーンスターチの特性と新加工・利用技術
トウモロコシを亜硫酸水に浸す‥‥。
トウモロコシからデンプンを抽出するときに亜硫酸水を使い、最後にはなくなるとのことですが、本当に?これは詳しくわかったら、追記しますね。
そして、コーンスターチに使われるトウモロコシは、悲しいけれど、遺伝子組み換えのものがほとんどと考えましょう。アメリカからの輸入トウモロコシが圧倒的勢力をにぎっています。
食品添加物のくくりではないにしろ、要注意ですね。
【残念その3】食品添加物
はい、ようやくここから食品添加物です!
食品の原材料名の読み方:「/(スラッシュ)」から後ろの表示が食品添加物
「/(スラッシュ)」は、画像に赤色マーカーを入れました。
5種類配合されているので、順番に見ていきましょう。
今回はひとつひとつを深く掘り下げてはいません。何がどういうものなのか、ざっくりとつかんでください。
乳化剤
水と油のような、本来混ざり合わない性質のものを混ぜる(=乳化させる)ための食品添加物が乳化剤です。
食品添加物の王者といいたくなるほど、あらゆる食べ物で名前を見ます。
代表的な乳化剤は次の4種類。
・ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖エステル)
・レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)
・サポニン
食べ物の原材料名に「乳化剤」とは表示されているけれど、4種類のうちどれを使っているかはまず書かれていません。
そして、乳化剤がカバーする範囲は広くて、「乳化」以外にも、次のような目的に使われます。
消泡(例:お豆腐の泡消し)
分散(例:ココアの粉っぽさを水に分散)
湿潤・浸透(例:プロテイン粉末のダマを防ぐ)
潤沢(例:フリスク、サプリ、薬などにツヤを出す)
可溶化(例:濁りを取って透明な液体に)
洗浄(例:野菜を洗う)
なんとまあ、使える子。笑
同時に、危険な子でもあるのです。
こちらの記事が詳しいので参考にどうぞ。
ヨガジャーナル:【意外】身近なあの食材が腸内環境を悪化させている!?「乳化剤」のリスクと真実
膨張剤
膨張剤は、その名のとおり、ふっくら膨らませるためのもの。
ホットケーキ、焼き菓子、まんじゅうなどなど、ふんわり、ふっくら食感を演出したい食べ物には多様されます。
炭酸ガスやアンモニアガスを発生させて、蒸し菓子や焼き菓子をふっくらと膨脹させるために使用されるものです。【参考】東京都保険医療局:食品衛生の窓
代表的な膨張剤は次の3種類。
・グルコノデルタラクトン(グルコノラクトン)
・硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)
特に、硫酸アルミニウムカリウムは要注意!
健康を害する可能性があるため、「アルミフリー」「ミョウバン不使用」などと表示された食べ物を選びましょう。
子どもはみんな大好きホットケーキミックスなんて、注意深くチェックしないと。
ソルビトール
食品添加物といっても天然の人工甘味料だから、そんなに悪者ではないんじゃない?と思いがちなソルビトール。
ですが、人の腸では分解・吸収されない糖アルコールという最大特徴があります。
その他の特徴はこちら。
砂糖の60~70%の甘さで、甘さ控えめ
別名:「ソルビット」「軟化剤」
グリセリン
グリセリンというと、乾燥肌を保護する保湿剤という化粧品のイメージが強いですが、食品添加物としても利用されます。
1. 石油から
2. 植物油脂(パーム油)から加水分解して生成
食べ物に使われているグリセリンの安全性については、今後調べて得た情報は書きとめていくつもりです。
カロテン色素
カロテン色素は、黄色~オレンジ~赤みの色を表現する合成着色料です。
添加されるのは、ハム、ソーセージ、ベーコン、チーズ、マーガリン、水産加工物(エビ、カニ)、お菓子など。
色鮮やかに見せたい食べ物に使われます。
バウムクーヘンに必要なのナゾ‥‥。
ハチミツの黄金色を少しでも表現したかったとか?
いやいや、不要ですよね。
また、カロテン色素の表示名は、
カロテン色素
カロチン色素
カロチノイド色素
カロテノイド色素
といろいろあるので一瞬とまどいます。
でも、すべて同じです。
ニンジンに含まれる優等生栄養素「β-カロテン」と名前がかぶっているので、なんだか良質な着色料に思えてしまいますが、合成着色料ですので。
【まとめ】原材料の数が多い=避けたほうがいい食べ物
食品添加物の数が多いほど、記事が長くなりますね‥。
今回は、シンプルな結論をひとつ!
もっと正確にいうと、スラッシュ記号の後ろが多ければ多いほど、食べ物ではなく化学物質寄りの食べ物と読みましょう。
【番外編】有名店のバウムクーヘンの原材料名を読む
バウムクーヘンに定評のあるお菓子メーカーは、食品添加物や生産国にもかなりこだわってるんじゃないかな?と思い、調べたものをまとめています。あいうえお順です。
気になるバウムクーヘンが登場したら、追記していきますね!
クラブハリエ
【原材料名】
卵(国産)、砂糖、コーンスターチ、バター、ショートニング、小麦粉、粉糖、クリーム、リキュール、寒天/乳化剤、ベーキングパウダー、香料、ソルビトール
公式サイト:クラブハリエ
食品添加物は使われていますが、卵が国産なのはうれしいです。
ショートニングなしで、バターのみにしてくれたらさらにうれしい。
治一郎
【原材料名】
液卵(国内製造)、砂糖、小麦粉、ショートニング、麦芽糖、バター、植物油脂、乳等を主要原料とする食品、食用乳化油脂、洋酒、澱粉、水飴、全粉乳、乳蛋白、食塩、寒天加工品、コーンスターチ、乳エキス/トレハロース、乳化剤、膨張剤、香料、(一部に卵・小麦・乳成分・大豆・オレンジを含む)
公式サイト:治一郎
バターよりショートニングのほうが配合量が多いうえに、植物油脂も使用。さらに、食用乳化油脂ってナニモノ‥!
食品添加物では、乳化剤&膨張剤の2大王者をケロリと使っています。
日本発で応援したいブランドなだけに、残念です。泣
ユーハイム
【原材料名】
砂糖(国内製造)、液卵白(卵を含む)、バター、液卵黄、小麦澱粉、小麦粉、ホワイトチョコレートコーチング(大豆を含む)、アーモンドパウダー、液糖、食塩、レモン果汁、バニラビーンズ
公式サイト:ユーハイム
食品添加物無添加!
バウムクーヘンの老舗メーカーの誇りを感じる、かなり良い内容です。ショートニングなしも、そうこなくっちゃ。Good!
「卵」ではなく「液卵白」「液卵黄」と別素材の表示になっている点は気になりますが。
国産の食材は使われていないようですね。ただ、他社と並べると、食品添加物ゼロというのは、やはり際立ちます。